
CONSULTANT COLUMN
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EV、垂直分業から水平協業へ
2021年、販売台数がHVを超えたEVに関し、22年初、台湾EMS最大手(以下、当社)が進めるEVの共同開発に当初の5倍にあたる約100社の日本企業が参加することとなった。当社は部品規格などを共通化し、EMS事業拡大を狙…more -
ESG志向の物流不動産開発
物流不動産開発大手の複数社が物流施設に再生可能エネルギーを導入し、テナント企業などに環境価値を還元する取り組みを始める。 テナント企業は物流施設の使用電力を全て再エネ使用分としてカウントすることも可能。当開発大手は、RE…more -
ホームセンターの戦略の方向性
ホームセンター大手が2021年12月、同業を買収、22年3月に完全子会社化すると発表した。買収額は200億円超とみられる。 被買収企業は、都心部を中心に国内外で86店舗を展開、21年3月期の連結売上高は前期比35%減の6…more -
米国小売業のネット、リアル事業の戦略的分割の是非
米国小売業が会社分割の圧力にさらされている。高級老舗百貨店が2021年3月にネット事業を分離したのを皮切りに、他社も同様の検討を始めた。アクティビスト(物言う株主)から企業価値を上げるため、事業成長の見込めるネット事業を…more -
米国、料理宅配企業の成長の方向性
米国の料理宅配企業大手が提携先である外食産業を包括的に支援することで成長を加速している。これまで当社は料理宅配事業において、提携先の多さ、エリアカバレッジの広さ、宅配の速さ、品質の良さ等に経営資源を注力してきたが、競争激…more -
食品ネット事業の進化、ショールーミング
ネット事業において食のショールーミング化が進んでいる。五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のうち、ネットは視覚と聴覚などに効果的に訴えることができる。一方、味覚などネットでは伝えきれない部分にリアル事業の商機がある。 リ…more -
2021年の企業倒産件数
リサーチ大手は1/13、2021年の企業倒産件数を発表。前年比:22%減の6,030件、1964年の4,212件に次ぐ57年ぶりの低水準とのこと。 コロナ禍における国や金融機関の資金供給が経営不振の企業を下支えする状況と…more -
紳士服小売企業の戦略方向性 ~多角化とコア深化~
ニューノーマルのビジネス環境のなか、紳士服小売業界の優勝劣敗が鮮明となってきた。衣料事業以外の事業成長がKFSとなっている。 国内大手4社の2021年4~9月期の連結業績では、衣料以外の売上高比率が4割を超える2社は前年…more -
GMSのテナントミックス
先月のコラムでは百貨店のテナントミックスについて言及した。今回はGMSである。GMS大手は10月、100円ショップ大手を買収すると発表した。TOB等で同社株51%の取得を目指す。51%取得した場合の投資額は200億円超、…more -
物流EV車両普及にむけた課題
物流会社大手が中国産EV車両(小型1トン車)を1万台購入する。1トン車の価格は補助金なしで380万円程度、同車格のディーゼル車とほぼ同価格であり、同車種のEV車両を日本企業が生産した場合は1000万円程度とのことだ。 航…more -
消費のロケーションシフト② ~リアル店舗の役割~
百貨店大手が売場に占める自社運営の比率を4割以下に減らす。コロナ禍において消費のロケーションシフトが加速する中、旗艦店を含めてテナント賃料で稼ぐ不動産業型に転換し、収益基盤を再構築する。同社の他施設(自社運営比率3割)…more -
CI ~物流会社の企業ブランディング~
日本通運が創業以来、初めてロゴマークを変更する。「マルツウマーク」として広く認知されていた赤丸に白抜きで「通」と書かれたものから、「NIPPON EXPRESS」の頭文字をとった「NX」がフレッシュグリーンで描かれたもの…more -
サプライチェーン・ガバナンスにおけるESGインパクト投資
ESG投資の中で、投資先の企業を通じた環境や社会への貢献度を測定・開示するインパクト投資が世界で広がっている。 2020年の運用残高は前年比4割増加。名ばかりで内実を伴わないESG投資が問題視されるようになり、年金など一…more -
空調機器のDX ~売り切りから従量制、サブスクへの変革~
空調機器メーカー大手はアフリカでモバイル決済システムを活用したエアコンの従量制サービスを始めた。 利用者が設備を使うときだけ利用料を収受する。製造販売が主体だった事業モデルを一変させ、エアコン市場で競合する中国、韓国勢に…more -
CVSの宅配戦略
CVS大手が約2万店を活用して宅配戦略を見直す。専用サイトやアプリで受注し、弁当、生鮮品、急用の日用品など約3千品目を対象とし即配する。 1000円以上の注文から対応し、330円の配送料を収受する。午後11時までの宅配に…more -
メーカーのIT企業化 ~タイヤのサブスクリプション~
タイヤメーカー大手が定額でタイヤ等を点検する店舗を現在の約350店から数年内に1000店程度に拡大する。直営店以外にも導入店舗を広げ、点検や交換などを通じて顧客との接点を長く持ち、商品とサービスを組み合わせた販売に力を入…more -
自動車も”xx Inside”の時代
EU欧州委員会による「2035年 新車CO2排出ゼロ」の発表で、EV開発と共にEV部品ビジネスが本格化した。エンジン・変速機の代わりとなるEVの基幹部品「eアクスル」を、デンソー、ボッシュといったグローバル自動車部品メー…more -
企業のSDGs取組みと消費行動
コロナ禍において、さらにSDGsがフォーカスされているが、SDGs認知度に関するアンケートでは、「認知している」と回答した人が50%以上となり、2019年度と比較すると2倍以上と、SDGsの認知度は向上している。 ただ一…more -
ネットスーパーの今後
過日のコラムでGMS最大手がネットスーパーの次世代大型拠点を23年開業に向け準備していることに言及した。英国企業と提携し、AIとロボットを駆使した最先端の大型自動倉庫を稼働させる。24時間稼働のピッキングロボットにより、…more -
サプライチェーンの内製化 ~アメリカン・ライトハウス(米国の灯台)~
米ウォルマートは3月初、米国内で製造・組み立てされた商品の調達に今後10年間で3500億ドル(約37兆円)を投じると発表。米国内の調達増加で75万人以上の新規雇用が創出される見込み。調達先を海外から顧客に近い米国内に切り…more -
化粧品、ECを活用した需要予測 ~売れ残りと廃棄リスク~
コスメ・トイレタリー大手がECで化粧品を先行販売し、店頭販売時の需要を予測する取り組みを始めた。 化粧品は生産量の1~2割程度が売れ残り、廃棄される。当社では新商品は点数を半減し、廃棄量を3分の1に抑える。ESG(環境、…more -
中古品マーケット(リコマース市場)の成長要因
米国中古品マーケット(リコマース市場)が成長している。米中古品のネット取引大手の発表によると、2019年に280億ドルだった中古品マーケットが、24年に640億ドルになるとのことだ。日本においても、複数のアプリを通じてP2P市場が成長しているのも潮流の一つである。…more -
EC市場、ダークストア活用による成功要因
米国のEC市場の成長において、ダークストアの役割が拡大している。ダークストアとは街中のEC専用倉庫のことで、コロナ禍における商業施設、小売店舗の空き物件を物流倉庫に転用するもの。店舗でありながら、消費者が入店できないのでダークストアと呼称するとのことだ。…more -
アマゾン、航空貨物事業のAWS化
米アマゾン・ドット・コムは3月初、航空機の中古11機を購入すると発表した。急成長する航空貨物事業向けに、初めて航空機をリースではなく購入。2022年末までに同社の運航機数は85機余りに達するとのことだ。 当社はここ数年、…more -
酒販店ディスカウンターの戦略的提携
酒販店ディスカウンター大手が、昨年末、首都圏で乳製品宅配事業者と子会社化した。当宅配事業の配送能力を取り込み、自社の配送プラットフォームを強化する狙いだ。これまでカテゴリーキラーとして酒販をリードしてきた当社であるが、EC、ネットスーパー、出前サービス等の市場拡大により、新たな打ち手が必要と考える。…more -
鉄道貨物会社の事業戦略
鉄道貨物が物流施設への投資を加速する。2022年に既存施設の3倍の床面積を持つ大型物流施設を東京貨物ターミナル駅に新設する。(240億円の工事規模、賃貸床面積は約14万m2)巣ごもり消費におけるEC需要を取り込む。鉄道貨物は輸送量当たりCO2排出量がトラックの11分の1とされる。脱炭素社会に対応した物流網を構築するとのことだ。…more -
コロナ禍における靴下業界の打ち手
靴下メーカー大手の経営者の言葉より戦略の方向性を考える。 経営者の言葉として「靴下業界は生産工場や卸、小売りのいずれももうかっていない。消費者にとって靴下の価値が低いのが原因だ。このままでは靴下業界は消滅しかねない。コロナ禍において外出自粛が広がり、靴下の需要が落ち込んでいる。靴下の価値を高める必要がある、締め付け感が弱くてもずれにくい靴下など、機能性の高い商品の販売に注力する。」とのことだ。…more -
コロナ禍における一致指数
コロナ禍において、2020年の中国産野菜の輸入量が過去10年間で最少となった。飲食店の閉店・倒産も多く、輸入商社や業務用卸など流通業者の経営を圧迫している。日本は野菜の国内流通量のうち約2割を輸入に頼る。輸入のおよそ半分が中国産で、ネギやニンジンのほか、調理の手間が省ける皮をむいたタマネギやニンニクが多い。飲食店や加工向けなど業務用で定着しているとのことだ…more -
半導体業界、供給業者の交渉力とブルウィップ
世界的な半導体の不足を受け、台湾半導体ファウンドリ大手などが、車載用半導体を中心として最大で15%の値上げを要求している。昨秋から値上げを一部で実施してきたが、再度の値上げ要求に踏み切る。早ければ2月後半から3月にかけて段階的に実施する見込みとのことだ。…more -
自動車業界、ビジネスエコシステム変革の影響
自動車部品メーカー大手が家電用の部品を増産する。高級家電などに使う小型ベアリングに今後4年間で約800億円を投じ、生産能力を倍増させる。脱炭素の流れを受けヘアリングを多用するガソリン車向けの需要減少を見越し、新たな収益源の確保を急ぐ。1/16付けのコラムに寄稿した通り、自動車のEV化がビジネスエコシステムを変革させ、部品業界に構造転換を迫っている。…more