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コンビニエンスストア(CVS)共配の取り組み

コロナ禍における収益改善策を検討するCVS大手3社は8/1から一週間、都内30店舗を対象として、常温帯の共同配送の実証実験をする。この実験は経産省が主導する戦略的イノベーション創造プログラムのスマート物流サービス事業を活用する。実験対象店舗の積載率は現在、平均で50%程度、事前のシミュレーションでは60%程度まで改善、3社の配送トラックは13台から9台と3割減、1日の運行時間も3社計で6割以上の削減を見込む。共配の実現に向けては、各社納品データのセキュリティ、納品荷姿(手積み、カコ車)の統一など、課題もあるとのことだ。
常温・チルド帯の共配の実現は、従前よりいわれている「競争は店頭で、物流は共同で」の時代到来となる。共配によるコスト削減効果は店舗納品の領域にとどまらない。CVS各社の共配センターの統合による運営コスト削減、サプライヤー(メーカー、卸)観点では、納品先が集約されることによる配送コスト削減など、効果発現領域は拡充する。一方、前述の課題に加えて、統合共配センターの出荷能力増強、3社の頻繁な店舗Scrap & Buildに対応する配送ルートの組み直しなど、共配実行体制としては、CVS3社の統合物流機能の発足が必要と考える。

竹本 佳弘