TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

BGMを活用した職場環境改善

前回コラムの、「自席で行うweb会議は職場に悪影響」に続き、職場環境に関する事柄で、「職場で使われるBGM」について述べたい。恐らく昭和の職場では、仕事中に音楽を聴くことはタブーとされていただろうが、近年はアマゾンなど大手企業でも職場環境改善にBGMを用いる場合があり、他社でも、営業事務所や物流倉庫でBGMを流しているところがある。自身の知る物流倉庫においては、BGM効果で作業者間の雑談が減少し、生産性・品質向上に正の効果が確認されている。
 職場でBGMを流す背景には、音楽がもたらすリラックス効果や、周囲の雑音を緩和するマスキング効果、また、人によっては集中力向上効果が期待されるからだ。それ以外にも、従業員の行動を自発的に変化させる手段として用いられるケースもあり、例えば、始業前や昼休み終わりに活気ある音楽を流すことでオンオフの切替を促す場合や、終業前の清掃活動を行うタイミングで特定の音楽を流す等、従業員のモチベーション付けに利用されることもある。
 私自身、執務室内の電話や会話が非常に気になる人間で、音楽を聴きながらの作業時に集中力が持続する傾向にあることから、BGMを流すことは職場環境改善、生産性向上に有用だと考える。但し、全ての場所、全ての時間帯においてBGMを流すことが有効では無く、適時・適所において導入するのが望ましい。来客ある応接室など周りから遮断された重要な会談を行う空間では不要だろうし、昼食後の時間帯に眠気を誘う様なクラシックは適していないだろう。TPOに応じた設計が求められることに加え、人それぞれ感受性が異なる点にも配慮することが必要だ。その為、利用可能な時間帯やコミュニケーションを拒絶しないというルールのもと、個々人の裁量に任せたイヤホン利用でも良いと考える。
PC画面の背景をお気に入りに変更する、また、海外では自身のデスクに写真を飾るなど、視覚的にリラックスできる環境を整える工夫をよく目にする。同様に「音」の観点からも、職場環境の多様性を認め、個々人にとっての快適な職場環境構築を後押しすることが今後の人材活用、人材確保のスタンダードになるかもしれない。

民谷 成