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特売常態化によるAIの活用

スーパーで食品の特売が増加傾向にある。24/1月は主要食品156品目のうち3割で販売数量に占める特売の割合が前年同月を超過。物価高で販売数量が減った品目も多く消費者の節約志向が強まっている。特売が大幅に増えたのが23/10月減税されたビール。販売数量に占める特売の割合は前年同月の41%から78%に上昇とのことだ。

物価上昇基調において消費者の節約志向と2年連続の実質賃金減少(厚労省)を背景として特売が活況である。特売増加は価格弾力性を加速させ、需要予測をさらに困難にする。一方で特売増加は特売常態化(いつもどこかで特売、業界俯瞰するとEDLP)を招く。結果、AI活用により需要予測精度が向上する可能性がある。スーパー本部は特売頻度も勘案しつつ収益性を確保する必要がある。さらに本部は1円刻みのプライシングを意識して利益最大化を実現する必要がある。購買者は1週間前の特売価格を1円単位では覚えていない。プライシングはその購買者心理を上手く活用して特売価格を設定し、利益最大化を企図することが肝要である。

竹本 佳弘