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サプライチェーン・ガバナンス、国内生産回帰②

前回コラムではEV用部品メーカーの国内生産回帰を紹介したが、今回は、さらに進化した国内生産のクラスター化である。
工場自動化の関連設備を手掛ける部品メーカー大手は、国内工場の近隣に2025年春までに工場を新設(400億円)の上、サプライヤーに貸し出し、部品の生産を始める。コロナ禍やロシアのウクライナ情勢などでサプライチェーンの混乱が続いている。サプライヤーを巻きこんで部品を確保する新たな試みとのことだ。
自社工場の近くでサプライヤーに部品を生産してもらうことで、海外調達に比べてサプライチェーンを維持しやすい。また短納期効果も見込むほか、生産管理システムの共有も進めて生産工程全体の合理化を狙うとのこと。
サプライヤーが現拠点をこの新拠点に完全移管すれば固定費、管理費等は削減効果はある。しかしながら、新拠点に追加で現行同様の機能を設置する場合はコスト増となるのではないか、あるいはVMIのように預け在庫であれば従前からの方式とかわりはない。
資本提携のない協業により狭小域内でのサプライチェーンの完結が実現することを望む。

竹本 佳弘