TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

衛星を活用した船舶の自動運転・遠隔操作

大手海運会社がビックデータを活用した海運の改革に挑んでいる。船に搭載したカメラやセンサーで周囲の気象などのデータを収集し、安全な航行と船上での故障予防に生かす。さらに将来的に衛星を活用した洋上での高速通信の実現により、本社からの遠隔操船や自動運転の実現を目指している。衛星機器などの宇宙ビジネスに関しては、先日の米国スペースX社のカプセル型宇宙船の打ち上げ成功が示す通り、民間の時代の到来を告げている。日本においても衛星の民間化は間近である。和歌山では日本初の民間ロケット発射基地が21年度の運用開始を目指している。現行と比して、低コストで民間の衛星が打ち上げられ、5Gなどの高速通信でデータ、画像を船舶から発信できれば、この海運会社の目指すところは実現する。さらにグローバルの海運業界団体で衛星を打ち上げ、管理することも可能であろう。これにより、海運業界は人件費や船舶メンテナンス費用の削減が期待でき、結果、貨物主の物流コスト削減につながると考える。

竹本 佳弘