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物流業界、カーボンニュートラルの別の方向性

トラック製造会社大手は10月より中古トラックを新車に近い状態に再生し、新車よりも安く物流会社にリースする事業を開始。車体を再利用するため新車生産時のCO2に対し9割削減可能とのことだ。運輸部門は国内のCO2排出量の2割を占めるも、トラックはEV化が遅れており、中古車の再生で物流業界の脱炭素につなげたい考え。リース料は契約台数などにもよるが、月約20万円とされる新車よりも1~2割割安とのこと。

CO2削減9割はインパクトある数値であるが、ランニングコストとなる走行時ではない、また、従前より中古トラックのリース市場は存在する。車検、修繕費等の中古車のメンテナンス費用も勘案する必要はある。ここでリースする対象を物流会社単体ではなく、物流業界全体に広げるのはどうだろうか。このトラック製造会社大手が中古車トラックを各拠点でプールし、短期(3日~10日間程度の自動更新)でのリースに切替えるのである。利用者側は単発の運送に応じて変動費として使用する。乗務員も短期のすきま時間を活用して利用するのである。これにより中古トラックの稼働率を向上させ、リース事業の収益性を確保するのである。

竹本 佳弘