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物流不動産開発と物流オーケストレーション②

前回のコラムでは物流不動産開発業界における物流オーケストレーションの必要性について言及した。今回は物流オーケストレーション機能について言及する。
当機能は物流不動産開発企業が自社建設した新倉庫に対しテナント(顧客)を誘致するため、ベンチャー企業を含めた物流サービスプロバイダー(物流ロボティクス会社、物流のITソリューションベンダー、機械装置会社)との資本・業務提携により、包括的に物流サービスを提供するもの。
これまでの物流インテグレーションでは新倉庫建設のために倉庫内の区画及び機械装置を企画、設計、機械装置については従前より稼働している立体自動倉庫、コンベヤー等のマテハン機器と、WMSのサービスを組み合わせたものであった。
しかし、直近10年で普及したAGV(無人搬送車)、クラウドロジスティクスマネジメントシステム、人夫、個配サービス等を組み合わせた物流オーケストレーションが潮流となる。最近ではAIを搭載したロボティクスも多種、日本に導入されており、AIのトレンドと顧客の物流特性を把握した上で物流オーケストレーションを提供する場合が多い。
物流企業、IT企業及びマテハン機器企業等ではなく、物流不動産開発企業が物流オーケストレーションの主導者となっている。今後の物流オーケストレーションとプレイヤーの動向を注視したい。

竹本 佳弘