NISAの普及により個人投資家向けの情報発信を強化する企業が増加。食品メーカ大手は昨年末、証券会社のユーザー向けにオンライン説明会を開催。メインスピーカーは開発や営業に携わる中堅や若手の社員。苦労や挫折も織り交ぜた熱心なプレゼンに、ある株主は「会社の雰囲気がわかる」とのコメント。当社はこのほかに工場見学や新製品発表会等、年15回のイベントを開催。若手社員と交流した株主は「この会社は期待できる」と買い増した事例もあるとのこと。
この取組は株主、経営層、社員の三方よしと捉える。前述の通り株主にとって企業の実態を知る、社員のポテンシャルに賭ける等、企業のファン化となる。株式、商品を買う、いわゆる推し活である。一方、経営陣にとってはIR上の評価が上昇するだけではなく、社員の成長を期待できる。
社員は自社をさらに知り、且つプレゼン等のスキルアップの機会となり、エンゲージメント値向上とつながる。結果、社員自身が自社のファン化となる。当然、社員として消費者の1人でもある株主との接点をもつことで新商品開発のニーズ探索の機会にも成りえるのである。
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株主と社員のファン化
経営戦略
2025年05月26日