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家電量販店 ECのKFS

家電量販店大手は2028年までにEC配送拠点を現在の4倍の100カ所に増やす。200億円弱を投じ当日配送できる地域を全国で広げる。現在の当日配送エリアは東京23区のほかは、横浜や大阪など大都市でも一部地域にとどまるが、配送拠点の増設で23区外や大都市郊外などにも広がる見通しだ。現在、1日に配達可能な荷物数に上限を設けており、それを超えると翌日の配送しか受け付けない仕組みがある。今回の投資でそうした当日配送のボトルネックも大幅に解消する見通しだ。売上高に占める通信販売の比率は約3割だが、26年までに同5割まで高める目標を掲げる。ECは当日配送など速達性が顧客満足度に直結するとのことだ。

ECのKFSの1つとして速達性は従前から競争優位性を発揮している。本事例は自前の配送ネットワーク拡充であるが、今後、速達エリアを拡充するならば弊社提唱するエリア代表窓口制の配送に切り替えるのも一策である。配送会社にエリアを割当、当エリアは割り当てた配送会社に一括委託するのである。これにより車両運行の効率は向上し、24年問題の車両不足を回避できる。また代表窓口とすることでエリア内の詳細地区単位に貨物受取時間帯も概ね把握できる。バスが最寄りのバス停に時刻表通り到着する感覚である。バス同様にエリア代表の車両は毎日複数回、エリア内を運行するため求める時間帯の荷受が可能となる。

竹本 佳弘