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変動費・固定費コントロール

イタリアン外食大手が業績回復に苦しんでいる。国内事業は2020年8月期以降、営業赤字が続く。足元での国内1店舗の来店客数は1日400人程度(コロナ前:450〜500人程度)。民間シンクタンクによると、23年8月期の国内の損益分岐点売上高は1184億円(前期比13%増、19年8月期比:8%増)に対し売上高は1166億円の見込みで、営業赤字が続くとのこと。

23年8月期の固定費は19年8月期比2%減と改善している。一方、変動費比率は47.4%と19年8月期比5.2ポイント増加。世界的な食材、資材価格の上昇、輸入調達における円安、国内の水道光熱費、物流費の上昇が主要因とのこと。

この事例は徹底的なBEP管理の示唆である。まずはtableau等を使用してBEPと固定費・変動費比率の推移を可視化、閾値超の費目をドリルダウンする。次に費目単位に施策を策定する。変動費改善の施策においてはJITな仕・販・在は自社単体では困難である。ここは同・他業種問わず、共同化が重要となる。荷繰り・人繰りを複数企業で共同化するのである。

竹本 佳弘