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フェムテックビジネスの台頭

携帯電話ショップ運営最大手が女性の健康や生活に関する課題を解決するフェムテックの店舗を立ち上げる。携帯ショップはスマートフォンの買い替えサイクルの長期化やオンライン専用プランの登場で来店客が減少している。店舗では国内外のフェムテック企業が開発するシリコーン製の月経カップや生理用吸水ショーツといった商品を取り扱う。民間調査会社によるとフェムテックの世界市場(2021年)は約642億円(前年比8%UP)とのこと。

同社は打ち明けにくい悩みを相談できる場所に対する需要があると判断し参入を決めたとのことだが、相談客として、やはり、人目に付く携帯ショップに入店するのは気が引けると推察する。携帯電話の相談で入店しつつ(来店頻度の向上)、フェムテックのスペースに送客(新規事業の連携)するのだが、やはり気が引ける。

例えば、ショッピングモールの保険見直し店舗やホームセンターのリフォームカウンター等はどうだろうか。保険店舗ではブースに区画され、保険の前にフェムテック相談する。当然、その相談事項を勘案して保険を見直すことも可能だ。またホームセンターでは相談事項応じたリフォーム案(相談事項である体調・体質改善に向けた机・椅子の高さ、ベット、バスの提案等)を対話するのだ。KFSは入店は人目に付くも、フェムテック相談には見えない心理的障壁の低さと本事業との親和性である。

竹本 佳弘