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キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)

新聞報道によれば、日本企業の時価総額の5割を占める製造業の資金繰りが悪化しているとのことだ。一例として建機製造大手ではキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)が、19年4~6月期には211日と19年1~3月期から31日延び、その後も200日超で高止まりしている模様。米中貿易摩擦による建機需要の減少にコロナ禍が加わり、在庫適正化が追いつかなかったとのことだ。
CCCはサプライチェーンマネジメント(SCM)におけるKGIの1つといえる。SCMにおいて企業は在庫偏重と欠品の回避、計画・実行のリードタイム短縮などを目的として、施策を打つが、最終的には、いかに早くキャッシュを回収して、再投資に回すかというCCCは、企業の基本活動といえる。
CCCは売・買掛金、棚卸資産(原材料・仕掛品・製品在庫)の動きに分解されるが、企業間取引において、売・買掛金のサイト変更は容易ではない。このため、CCCは棚卸資産の回転日数に着目する。しかし、日本では昨年の消費増税と暖冬、ここにコロナが重なり、需要が急減し、在庫が積み上がっている。いわゆるコロナ在庫が蓄積され、販売消化できる見込みは立っていない企業も多いと考える。コロナ在庫は財務諸表では当面保有せざるえない資産であるが、実態は廃棄待ちの負債となる事例が今後、発生すると考える。間接金融で資金繰りを安定させるのではなく、SCMではCCCの改善施策を打ち、キャッシュフロー最大化を目指すのである。

竹本 佳弘