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「馬力(馬)」に学ぶ「知力(AI)」の使い方

 2026 年の干支である馬は、古来より人と関わりの強い生き物である。鋤を引くことで農業生産性を向上させ、馬車の動力としては輸送の大規模化・迅速化に貢献し、戦争でも機動力を高める戦術に用いられてきた。今でも「馬力」が動力の単位として利用されていることからも、人間社会に深く関与しているといえる。
 ただ、この馬も野生では危険な動物であり、手綱によるコントロールに加え、馬力を活かす道具との組み合わせにより活用されてきた。例えば、農耕では鋤・犂という道具を引かせることで農地を効率よく耕すことができた。馬車も、車輪が発明されたからこそ輸送効率の向上が実現できた。騎乗も、鐙や鞍の発達によって騎兵がより安定し、有効な戦術として活用されるようになった。このように、「物理的な能力」で人より優れている馬を活用するには、その出力を目的に合わせてコントロールする「ツール」と「技術」が必要であると言える。
 これは昨今のAI 活用にも同様ではないだろうか。AI は人類にとって、「知的な能力」において優位な道具であり、その活用は今後の人類の発展にとって欠かせない。ただ、この AI も、単独では一般的なユーザーが使いこなすのは難しく、他の道具と組み合わせることが重要だと考える。例えば、「ロボティクスと AI」のように、機械を自動制御することで生産や物流の自動化に大きく貢献する。また、教育分野においても、「問題集と AI」のように、生徒の理解力に応じて問題を設定することは、学力向上に寄与すると期待されている。ChatGPT などの生成 AI は、ホワイトカラー業務を効率化するツールとして、すでに実用段階に入りつつあると言ってよい。そして、これら道具と組み合わされたAIを最終的に使いこなすには、御者としての人間の「技術」が要になるだろう。
 午年は飛躍の年とも言われている。「知の動力」となる AI を活用するための「道具」の進歩と、それを使いこなす人の「技術」の進化に期待したい。

民谷 成