中部地方に地盤を置くSM大手が11/21、関東1号店を横浜市にオープン。首都圏は低価格な競合がひしめく激戦地だが、フルーツを使ったデザートや生鮮など格安な店内調理商品で訴求し、20km程度離れた遠方からも集客するとのこと。
当社は競合との差別化に向け、独自のヒット商品を目当てに集客するディスティネーション・ストア戦略を掲げる。一般的なスーパーの商圏は3〜5kmとされるが、同社の担当者は既存店では10〜20km離れたところからも集客できている、ディスティネーション・ストア戦略のKFSは3つとのこと。
1)短期間で検証や改善を繰り返すアジャイル開発的に商品開発し、販売好調なら、拡販に向けて専用工場を整備する。
2)パンやシューマイなどの製造や調味料メーカー、畜産・水産加工といった様々な事業を手掛ける企業が傘下に連なる。グループにメーカーがあることで商品を低価格で販売できる。
3)製造側と小売側の密な連携により、マーケティングや開発に実際の販売データを反映することができる。
首都圏では多業態の店舗密度が高く、10〜20km離れた目的買いのディスティネーション・ストア戦略が奏功するか注視したい。垂直・水平統合のグループ経営は競合他社も既に実施しているため、首都圏の地域別の食文化、嗜好にどのように対処するのか、課題と考える。ここで地域住民のインサイト(欲しい本質)を探究する提携先と協業するのはどうだろうか。AI x 店頭マーケ x 前述のアジャイル開発である。さらに曜日x午前・午後等の時間軸で商品陳列を変化させる立体的な販売手法を加える。さらに深化したディスティネーション・ストア戦略に期待したい。
