自転車変速機メーカ最大手がAIで自動制御するシステム(以下、AI変速機)を開発し、出荷を開始。初心者でも使いこなせるようにして、市場の拡大を狙う。AI変速機はセンサーやAIチップを搭載した後輪ハブのほか、変速機、変速スイッチで構成。走行スピード、ペダルの回転数、地面の傾きをセンサーで読み取り、最適なギアを10〜11段あるなかから自動で選択する。自動車で普及するオートマチックを自転車に取り入れた格好。
乗り手がそれに満足せず、手元の変速スイッチを操作すると、20〜30分のうちにAIが好みや癖を学習し、自動で反映できるようになる。当社によれば、世界の自転車出荷は年1億2000万〜3000万台で、約半分が変速機付き(当社の変速機の世界シェアは7〜8割)。
AI変速機を採用した完成車メーカ(独)は「多くの信号がある都市部に向いている。止まったり走り出したりする際、変速スイッチの操作が不要で、走りに集中できる」とのこと。一方、課題の1つは価格の高さ。AI変速機単体の小売価格は7万〜9万円。自転車全体の価格を押し上げる模様。
AI変速機自転車は高価格帯機種となるが、10万円前後の価格帯であれば電動自転車がある。10-15万円という価格を消費者が受け入れてることになる。AI変速機の価格低下を待つよりは電動自転車と同様に付加価値を持たせることが重要と考える。前述の街中走行の快適性だけではなく、センサーを附帯させた安全機能(急加減速)や省エネ走行に資する回転速度の自動調整等である。
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自転車のAI化
経営戦略
2025年11月17日
