TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

調理ロボティクス、戦略的方向性

中国で自動調理ロボットが普及期に入ってきた。上海の新興ロボティクス企業は北京冬季五輪の会場への導入も追い風に、同国外食大手や日系中華外食チェーン大手に納入を決めた模様。少子高齢化に伴う労働力不足が続くなか、中国の調理ロボ市場は2023年に27兆円規模に拡大。既にスマホ決済が主流のなか、レストランの無人化がさらに進むとのことだ。
前述の日系中華外食チェーンは、この調理ロボティクスの評価をプロの味を再現できているとしている。調理担当者はギョーザやラーメンなど他のメニューに専念でき、作業効率が大幅向上。ロボット価格は小型タイプで6万元程度(約124万円)。調理師の半年分の人件費に相当し、投資コストを早期回収する。
日本においても、非接触を前提とした衛生管理強化と労働力不足を背景に調理ロボット導入は加速すると考える。衛生面が最重要な病院食、乱立するSM、CVSの店内調理部門及びSCのフードコーナー等、調理ロボットの活躍シーンはたくさんある。
今後の活躍の戦略的方向性として、自宅でスマホ発注・決済し、ロボットが調理した料理をテイクアウト/デリバリーする利便性、価格に訴求する方向と、メニュー、調理技術の多様化により、マイレシピを発注、受取する個性に訴求する方向があると考える。

竹本 佳弘