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サプライチェーンにおけるステーブルコインの潮流

2021年末、火災保険大手はデジタル通貨を使った貿易決済支援サービスを発表。デジタル通貨はビットコインではなく米ドルに連動した仮想通貨(ステーブルコイン)。また、電子化した船荷証券(B/L)を使い、貿易代金を即時決済する世界初の仕組みをつくる。23年導入を目指すとのことだ。
貿易決済に関し、処理時間は最大で1カ月短縮、手数料も国際送金が不要なため、3分の1になる。また、代金回収期間は短縮するため(現行はB/L到着後決済のため)、輸入者の不払いリスクも回避できるとのことだ。
これまでも代金の早期回収はファクタリングサービスがある。3PL企業自体が輸出入者に介在し、当サービスを提供する場合もあった。しかし、デジタル時代ではブロックチェーンや仮想通貨の技術により貿易決済のリードタイムが超短納期となる。本取組はステーブルコインの活用により、実決済と同レベルの信用力を帯びる可能性もでてきた。
また、SCMの業務上では、輸入前に書類上の処理は終了あるいは準備できているため、入港直後に貨物引取が確実となる。このため、洋上在庫を入荷予定の見越し在庫として生産計画、供給計画に組み込むことができ、計画系業務の前捌きの精度と効率が向上するのである。

竹本 佳弘