TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

鍵を持ったアマゾン(2)

以前、拙著-「鍵を持ったアマゾン(1)」-にて紹介したAmazon Keyの人気が芳しくない(*1)。スマートキーを防犯用ロックとしてのみならず、配達員を自宅内に入れて荷物を配送してもらうために使用するアマゾンの飛躍的な発想は、今のところセキュリティ上の懸念から米国の消費者に受け入れられていないようだ。そういった現状を打開すべく、アマゾンは新サービス「Amazon Key In-Car」をローンチした。同サービスは、指定された駐車中の自動車に商品を配達するというもので、一部のメーカーのコネクテッドカー(約7百万台)のみが対象である(米国全体の総所有台数の約2.8%)。「車のトランクであれば他人が使用しても抵抗感がない人が多い」という仮説の基で打ち出されたサービスであると推察できるが、依然として消費者にとってのリスクは潜む。例えば、トランク内に荷物を置く際やトランクを閉める際に所有車に傷が付く可能性が挙げられる。アマゾンは、そのような問題が発生した際の受け皿として、「Amazon Key Happiness Guarantee」と呼ばれるクレーム対応の窓口を設置している。配達員による直接的な損害の場合は、$2,500までの支払がなされるようだ。このように、想定される問題への対応をいかに手厚くするかが同サービス普及のポイントである。具体的には、同サービス使用時に、損害に対するカバレッジの増額が出来る追加オプションを設けたり、上記窓口の具体的な対応実績を蓄積・提示していく等より、消費者の懸念を無くしていくことが出来ると推察する。

(*1)Amazon Keyを「必ず買いたい」という消費者は全体の4%である一方で、61%の消費者は、「購入の検討をしない」と回答している。(2017年11月、「Amazon Key is hugely unpopular, but still might boost Amazon Prime」、Survey Monkey)

(*2)米国内の保有台数は、約253百万台である。(2014年7月「253 million cars and trucks on U.S. roads; average age is 11.4 years」、Los Angeles Times)

川端 祥生