TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

テクノロジーの潮流を読む

5~10年後の市場を想定する1つの枠組みとしてPEST分析(Politics、Economics、Society、Technology)がよく知られているが、その中で中長期的に世界の在り方に最もインパクトを与える要素はテクノロジーの進化である。直近の30年を見ても、PC、インターネット、モバイル、IoT、AIと情報技術の進化を筆頭にそれらは経済、人々の生活をガラリと変貌させた。企業経営における次なる事業機会や競合・新興企業の脅威を想定する上でテクノロジーの視点は外せないのである。そういったテクノロジーの潮流を読む一助として、米国調査会社のガートナーは毎年、先進テクノロジーの「ハイプサイクル」を発表している。ハイプサイクルとはテクノロジーの普及度やトレンド遷移を示す同社独自のグラフであり、テクノロジーの普及プロセスを「黎明期」、「過剰な期待のピーク期」、「幻滅期」、「啓蒙活動期」、「生産性の安定期」の5段階に分け、各テクノロジーをグラフ上にプロットしたものである。黎明期から過剰な期待のピーク期までは3~5年後に起こる技術革新を表し、そこから幻滅期はバブル状態が終わり生き残りをかけた争いが起きている領域を表し(すなわち優れた商品・サービスを出せず顧客を定着できないプレーヤは脱落)、そこから啓蒙活動期は生き残ったプレーヤによるマスユーザの獲得を追い求める時期を表している。自社の業界に関係するテクノロジーは何か、その進化・普及によって将来引き起こされる新たな競争環境はどのようなものか、自社が圧倒的優位を獲得するためにどこに投資するか。業界や規模の大小にかかわらず、テクノロジーの潮流を読んだ企業経営が必要である。

松崎 勝彦