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SCMにおけるカーボンゼロ対策

各国、産業界が国際枠組みのパリ協定に沿ったカーボンゼロ対策に動いている。6月初、日系自動車メーカー大手が1次取引先の主要部品メーカー300社に、2021年のCO2排出量を前年比3%減らすよう求めた。サプライチェーン全体での脱炭素を主導、取引先の裾野が広い自動車大手が脱炭素の動きを強めることで産業界のCO2排出削減を促進するとのことだ。同社は個社で達成できることではないため1つの基準・目安を示したとコメント、この取り組みを10年続けると20年比約3割、15年で同約4割の削減となるとのことだ。
これまでも、部品メーカーはJITに対応すべく、自動車メーカーの倉庫前倉庫の設置等で長距離輸送(幹線便は満載で輸送することで単位当たりCO2排出量削減)を回避。さらに自動車メーカー工場付近に部品メーカー自体が進出、クラスター化で対応してきた。また自動車メーカー主導で部品メーカーの生産ラインのカイゼンも繰り返してきている。
さらなるCO2排出量削減にどう対応するのだろうか。当然ながら、EVトラックの導入はCO2排出量削減の取り組みになるが、部品メーカーの資金力では困難な面もあり、自動車メーカー主導(あるいは貸与)でEVトラック輸配送網を構築する必要がある。
ここで運搬資材の変革にフォーカスしてはどうだろうか。プラスティックパレット、容器等である。さらにパレットに積載した荷姿に幾重にも巻きつけたストレッチラップである。このようなプラスティック製品から代替品への変革でCO2排出量削減を再検討してみるのも一策である。

竹本 佳弘