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EC、Qコマースの勘所、競争優位性の効果

CVS大手はネットスーパーのスタートアップと提携し、受注から原則10分以内に商品を届けるサービスを3月に始動。GMS最大手も約1万品目を最短30分で届けるサービスを2月に開始している。シンクタンク調査によるとネットスーパー市場規模は2022年に3550億円と、新型コロナウイルス前の19年の5割増となる見込とのことだ。
当CVS大手の30分サービスは、AM8時からPM11時まで受注、生鮮・日雑700~1000品目を扱い、商品価格は店頭より割高、且つ配達料300円が発生する。
1月のコラムで紹介したが、欧米においても、Qコマース X ダークストアのECビジネスが定着しつつあるように、日本においても、超短納期が競争優位性の1つになっている。しかし単純に30分以内配送の場合、顧客の「ついで買い」の機会が減少すると考える。割高品+配送料では、不要不急品の「ついで買い」の購買意欲が低いからである。
また、発注の際に不要不急品の購買を想起しても、徒歩10分圏内にCVSがあるため、発注には至らない可能性がある。
超短納期サービスに注力することは重要であるが一方、顧客にとって、すぐに来るという意識が客単価を低下させることにならないように取扱品拡充だけではなく、個客別施策が必要と考える。

竹本 佳弘