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AIを活用した形式知への展開 ~洗濯物の乾燥という暗黙知をAI、IoT活用で形式知へ~

2019年、経済産業省の調査報告書では国内企業のAI導入によって、2022年までに、7兆円、2025年までに34兆円の経済効果が推計されている。それに伴い従業員の労働生産性は12〜14%向上するとも試算される。しかし現状の国内企業のAI導入状況は24%程度となっている。
その要因として、AI導入後のビジネスモデルやコスト負担に関する不安が依然として高い水準にあるという。AI導入のROI(収益性・業務効率の向上等)が見通せないこと、つまりAIを使いこなせる人材の不足が影響しているという。AIやIoTに触れる機会をつくることで身近に効果を感じられるのではないだろうか。
具体例として雨天時、家庭で洗濯物の室内干しの乾き具合をあげる。部屋干しの洗濯物の乾き具合は、目視、直接触れないとわからない。その時、室内に湿度を読み取れるセンサーユニット(M5Stack等のWi-FiとBluetoothによる無線通信機能を備えたCPU)を設置、loTアプリケーションプラットフォームを活用し、PCにデータを取得しモニタリングする。loTアプリケーションプラットフォームも近年充実してきている(セキュリティーの担保もされている)ため、安価で利用できる。
そこから得られる結果として、
①天気と洗濯物の乾き方の分析
②洗濯物が乾くタイミングを予測
③乾いたら通知
④未来の天気予報データから洗濯の最適なタイミングを決定
さらに①〜④の結果から以下の便益がある
①のデータを蓄積することで、②より、浴室乾燥を使用する場合は、乾燥時間がわかり、余計な乾燥時間と電気代の節約になる。③より、暗黙知であった乾燥時間がわかり、その完了時間に合わせて他の作業ができる。④より、洗濯可能の有無、洗濯後の屋内、外干しが選択できる。
以上のようにデータを蓄積し、予測の流れを考察しビジネスに応用できる経験となる。

本田 卓也