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レンタル3Dプリンター、時間と人の最大活用

11月、リース、金融大手の子会社が3Dプリンターのレンタルを開始した。樹脂3Dプリンターを最短5日間からレンタルできるサービスを始める。3Dプリンターの少量多品種に対応できる強みを売りに、高付加価値部品の製造を志向するメーカーの需要を見込む。金型なら量産までに1~2カ月はかかるところ、3Dプリンターであれば10分の1に短縮できる。さらに金型は数万個以上製造することで投資回収が見合うが、3Dプリンターの受託加工では1個からでも製造可能とのことだ。民間調査によると、2023年の3Dプリンター関連の世界市場規模は19年比9割増の約2兆7千億円に拡大する見通しだ。
レンタル3Dプリンターの普及により、つくり方も変化すると想像できる。1個から、どこでも、いつでも、試作品がつくれる。これにより、クラウドソーシングを活用して、レンタル3Dプリンターを貸与し、グローバル最適な試作品づくりを発注できる。試作品の情報管理という課題はあるも、日本企業が夕方依頼した試作品が、翌朝には納品されている状況である。また、データ化された試作品は発注元の企業に設置されたレンタル3Dプリンターで再生産可能となるのである。

竹本 佳弘