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フードロス削減に向けたロングライフ(LL)品

政府は2030年度にフードロスを約500万トンに削減することを目指し、19年10月に「食品ロス削減推進法」を施行した。その後1年が経ち、メーカー各社が技術開発を急いでいる。乳業大手は常温で120日間保存できるヨーグルトを開発。当商品の10月出荷量は発売した6月の8.8倍。この分野で初めて常温保存を可能とした。賞味期限の延長は自社内で持つ在庫の廃棄削減にも寄与、製造段階でのロスは2013年度比で23.9%減、21年度までに同30%減にするとのことだ。
食品ロスが最も発生しやすいのは、豆腐や納豆など賞味期限が短い日配品である。受注後、超短納期のため、見込み生産するが、欠品回避のため、多めに生産する傾向にあり、廃棄ロスになる。
日配品のLL品化は廃棄ロス削減だけではなく、物流改善にも寄与すると考える。毎日納品は不要となり、配送頻度が変わる、積載効率が上がる。一方、家庭冷蔵庫での保存期間が延びることでファミリー用として、ビックサイズのLL品販売の可能性もある。そうなると、納品ロットが大型化、さらに配送効率が向上するのである。

竹本 佳弘