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金融機関のRPA活用による業務改革

大手金融機関が業務改革を実行する。当金融機関の本部人員を3割減らす計画だ。業務の見直しや削減を進め、成長分野に人的リソースを再配置するとのこと。本部の企画・管理部門が対象で、RPAを活用し業務効率化を図り、資産運用や海外事業などの成長分野に再配置するというものだ。新聞記事には、時間軸(スピード感)や、効率化により創出する人財数が記載されているが、この数値はビジネス上、インパクトがあるのかは、わからない。また、RPAで効果を刈り取れる企画部門の業務があるのか、考察する。企画部門の主担務は経営戦略、新規事業戦略などを立案し、社内のリソース(ヒト、キャッシュ等)の再配分とパートナリング(フィンテック企業、ブロックチェーン提供企業との提携など)を経営陣に具申することである。この主担務にはRPAは馴染まない、RPAは計数管理において、データの集配信業務には効果的であるが、当業務は企画部門の業務の一部に過ぎない。この新常態こそ、原点回帰である。企画部門が主担務に対し、頭で汗をかき、自社の持続的成長の一端を担う必要があると考える。

竹本 佳弘