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美容業界へのインパクト ~JV設立のシナジーはあるのか~

先月、化粧品メーカー大手と美容機器メーカーがJVを設立した。21年にはスキンケア商品と美容機器技術を組み合わせた新商品を日本、中国で発売するとのことだ。美容意識のさらなる高まりと、巣ごもり消費において、自分にあったよいモノには対価を払うという消費者購買行動が、この新商品の販促を予感させる。
例えば美容機器に埋め込んだカードリッジ式のスキンケア商品とのサブスク式セット販売を展開するのであろうか、JVの相乗効果が期待される。一方、想定課題の1つとして両社のブランド価値の維持がある。
当然、JVは両社のブランド名称を使用することはなく、新ブランドで販売すると想定される。しかしながら、化粧品メーカーが大手の場合、美容機器メーカーが、その大手のOEM企業に位置づけされない工夫が必要である。美容機器メーカーとしてブランド価値を維持するためには、調理機器を使うことで原材料がおいしい料理になるのと同様の発想が必要である。美容機器の技術を使うことでスキンケア商品の効能が発生するような商品を共同開発し、JVとして販売するのである。

竹本 佳弘