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直物性代替肉の台頭によるサプライチェーンの変化

ネスレ日本が植物性代替肉を2021年に日本市場に投入する。ハンバーガーチェーンやレストラン等の業務用販路を開拓する。ヴィーガン、ベジタリアンが定着している欧米のハンバーガーチェーンでは、すでに代替肉を使用したメニューを販売している。
食肉の世界市場は200兆円といわれる一方、代替肉市場は英国調査会社の予測では24年で2.4兆円(19年比2割増)と黎明期である。19/5月、米国ビヨンドミートがNASDAQ上場初日に3倍の株価をつけたのは記憶に新しい。
食肉市場における家畜牛15億頭には水1日1700憶ℓ、飼料600憶tが必要(ヒトは水1日200億ℓ。食料10億トン)とのことで、且つ、生育の過程では二酸化炭素(CO2)を排出する。地球環境の負荷低減を一因として、脱ミートの動きが世界で広がっている模様だ。
代替肉市場が急成長すると、これまで総合、専業商社を中心とした食肉の多層階サプライチェーンに変化が生じる。植物を原料として生成する代替肉では製造者が原料を直接調達し、需要に応じて製造するオンデマンド型のサプライチェーンが創造される。食肉サプライチェーンのプレイヤーが変化する、いわゆるビジネスエコシステムがもう1つ創造されることになる。

竹本 佳弘