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半導体業界のブロックチェーンの起こり②

車用半導体業界が主導するブロックチェーンを活用したサプライチェーンマネジメントが本格化してきた。7/16のコラムで紹介した通り、欧米の自動車やIT大手など約150社・団体が参加するMOBIと半導体関連の約2千社の国際団体SEMIが連携。ブロックチェーンを活用し、生産や流通履歴を正確に把握する。具体的には、製品や半導体製造装置に2次元バーコードなどを貼付、各工程で読み取り、製品がどこに出荷され、どの製造装置で加工されたかなどを記録する。また、部品を作る際の温暖化ガスの排出量を記録、完成車1台あたりの排出量の把握につなげるとのことだ。
ブロックチェーンを活用してサプライチェーンを可視化する。サプライチェーンの長さ、複雑さ、リスクを把握することが可能となり、サプライチェーンの再編も進めやすくなる。しかしながら、記録する企業の分担、そのデータを吸い上げるITコストの分担など、大・中小企業が混在するサプライチェーンにおいて、実現難易度は高いと考える。あるいは、ブロックチェーンを活用できる企業間だけで取引を行うという条件付けし、参画企業を選抜することにより、サプライチェーン・ガバナンスを高めるのであろうか、今後もMOBI/SEMIの取り組みをモニタリングしていきたい。

竹本 佳弘