TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

バーチャルツーリズム(仮想空間の旅行)

6/7付コラムにおいて「STPD」の思考法とSee(事実情報にもとづきWhat,Whyを大事にする)の重要性を紹介した。今回、次の事例をもとに、What,Whyを大事にする意味を考えたい。
航空会社大手は4月末、コロナ禍の非航空事業として、仮想空間で旅行や買い物などができるスマホアプリの提供を2022年に始めると発表。アプリ上でアバターを操作し、仮想空間上の観光名所やショッピングモールなどを訪れる。利用者の8割程度は外国人を想定し、仮想旅行を有料とするほか、EC出店者などから得る手数料を収益源とする。5年間で累計売上高3000億円を目指すとのことだ。
この事例はHowの部分は言及しているが、What,WHyの部分はどうだろうか。ターゲットの外国人利用者は、What(何に興味を示し、仮想空間を訪れるのか)、Why(なぜ、そのサービスでないといけないのか)を認知するであろうか。
つまり、今後提供するアプリにターゲット外国人をアクセスさせる(What,Whyを認知させる)ことが重要である。この場合、アクセスさせるために、既存の航空グローバルアライアンスを活用してはどうか。
ご当地に精通している各国アライアンス企業と連携し、各アライアンス企業の会員(外国人)にアプローチし、仮想空間での世界旅行を乗り継ぎ体験させるのである。
これにより、アライアンス会員は、世界のどこでも旅行、買い物が可能となる。また仮想のため、お一人様でツアー旅行参加も可能だ。
ツアー旅行ではインフルエンサーが添乗員を務める仮想旅行(バーチャルルーリズム)も一策である。このようにHow(仮想空間での過ごし方)の前に、仮想空間に送客するためのWhat,Whyをしっかりと考えることが重要である。

竹本 佳弘