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外観のIoT ~AIがカーシェア車の傷チェック~

北欧のスタートアップ企業がカーシェア車の傷、状態をAIとビッグデータで検査するシステムを開発した。車の利用者が指定された箇所を撮影し、送信すれば自動解析する。写真の改ざんはAIが見抜くため、不正はできない。目視検査をほぼ自動化し、コストと時間を7~9割削減できるとのことだ。同社は米MS社のクラウドサービスを活用して、機械学習させることで解析精度を高めている。保険会社との連携の先には、MaaS市場の成長を見据えて、複数のトップメーカーと議論を進めている。今後は、自動運転やコネクテッドカーなど新市場への展開を想定しているとのことだ。
今般、さまざまな搬送車両についてはIoT技術導入により、データ収集する仕組みが本格化している、いわば「内観のIoT」である。一方、前述のAI検査は「外観のIoT」といえる。MaaSに代表される自動化社会の前提条件の一つにデータガバナンスがある。予め仮説定義したデータを取得⇒クレンジング⇒蓄積⇒データセキュリティ確保⇒分析・活用という一連のデータガバナンスが必要である。内観と外観のIoTを組み合わせることで、データガバナンスは促進され、解析精度は向上する。自動化社会の実現性・実効性が高まるのである。

竹本 佳弘